痴漢で刑事事件になった際に弁護士がやれること

 

酔っ払い

迷惑防止条例違反

痴漢は痴漢罪というのがないため迷惑防止条例違反として逮捕され、懲役刑を受けることもあります。初犯であれば略式起訴で罰金刑や示談成立で不起訴になりやすいですが、頑なに否認した場合は執行猶予がついた判決が出ることもあります。もし刑事事件に発展した際に弁護士がやれることは、依頼人が罪を認めている場合とそうでない場合で大きく変わっていきます。

認めている場合の弁護活動

もし認めている場合は示談交渉に全力を挙げます。この時に示談交渉の相手となるのは相手方の親から依頼された弁護士です。もし相手方の個人情報を知ってしまうと復讐される恐れもあるからです。捜査機関はそういうこともあるため相手の個人情報は教えず、結果として代理人と交渉を行います。とはいえ、相手方の処罰感情は強くそう簡単に示談交渉は進みません。この時に弁護士に求められるのは、誠心誠意の謝罪の意を伝えることです。それは賠償金など様々な形で表現できますが、ここでの交渉がうまいと示談にしやすく最終的には不起訴や罰金刑に持ち込めます。

罪を認めながらも不起訴を勝ち取るには再発防止が求められます。痴漢の場合は再発率が非常に高く、性的興奮よりもそのスリルが快感になっていることもあります。精神面での治療を行って再発防止をしていくことを約束することが大事です。こういうプログラムで治療していくというのを検察にアピールしていき、不起訴を狙っていきます。もちろん示談交渉の際にもこうしたものを示すことで示談が成立しやすくなります。そして、反省文の作成や通勤ルートの変更の約束などの配慮を重ねていくことが不起訴や罰金刑につながっていきます。

否認の場合の弁護活動

痴漢はしていない、冤罪であると主張する場合はかなり大変です。被害者の言葉と本人の自白だけで公判が進み、最後までそれが尾を引くことも十分にあるからです。やってもいないのに罪を認める、現場から逃亡するなどの行為は冤罪をした人の行動ではないと断じられてしまいます。それでも気が動転してしまうことはあります。弁護士を呼ばなきゃ自分は何も答えないと宣言をして、弁護士の前で身に覚えのないことで捕まったと主張すれば堂々と冤罪を主張できます。

近年争われる傾向にあるのは被害者の供述の信ぴょう性です。本来であればだんだんあいまいな情報は忘れていくものなのに、細部まで細かく供述していく人がいます。にもかかわらず、時間が経てばその情景が細かく変化するために本当に被害に遭ったのかという疑念が浮上します。弁護士はその部分を突いて信ぴょう性に欠けることをアピールしていきます。そのためには再現実験を行い、被害者の主張では痴漢に及ぶのは難しいことを示します。他にも目撃者の確保などを重ねて無罪を主張します。

泥酔状態で記憶にない場合などは素直に記憶にないと言い、泥酔になったことがこういうことを招いたというのを反省するなど実に様々なケースがあります。いずれにしてもやっていないものはやっていないと主張し、やってしまったらそれを素直に認めることが大事です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket