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クレプトマニア「窃盗症」とは?症状と治療方法

精神障害~万引き行為そのものが目的

「クレプトマニア」とは別名で「窃盗症」や「病的窃盗」とも呼ばれている一種の精神障害です。

そのため「クレプトマニア」の語源であるギリシャ語でも「盗む」という単語に由来しています。病名にもある通り、この病気を患った人間に見られる症状は窃盗です。しかし通常の窃盗と異なる点があります。それは経済的に厳しいためにその負担を減らすため等物理的な理由で盗むわけではなく、万引き行為そのものが目的である事です。要するにスリルを味わうために行っており、ギャンブルと同じだといっても過言ではありません。

万引きした対象物に執着しない

もう1つ、通常の窃盗と決定的に異なる点は、万引きした対象物に執着しない事です。

例えば窃盗しようとする人間が欲しいと思った製品が万引きのターゲットになるのが当然ですが、「クレプトマニア」に陥った人間の万引きするターゲットに区別はありません。欲しくもない製品を盗んだり、同じ商品を繰り返し万引きしたり等、少々変わっています。

破棄、譲渡、戻す

さらに言えば万引きした後、その製品を自分の所有物にする事は稀です。ほとんどの場合、製品の破棄や他人への譲渡がされています。中には現場に戻す人間もたまにいるそうです。

緊張感と達成感

この奇妙な窃盗の原因は当人が万引きの際に味わう緊張感と成功した際の達成感を快感として覚えているためと言われています。快感を堪能するために繰り返している衝動、その源は簡単にまとめてしまうとストレスです。うつ病はもちろん、摂食障害や性的な葛藤など1人では抱えきれない悩みに苦しんだ果てに窃盗をストレスの捌け口にして依存してしまっていると考えられています。

「クレプトマニア」の治療法

そんな「クレプトマニア」の治療法ですが、残念ながら現時点では確立されていません。

しかし少ないものの、積極的に精神療法や行動訓練を行う専門のクリニックは存在しています。またギャンブル依存症のような依存症の仲間として捉えた場合、同じ治療法が効果的ではないかとも囁かれています。

先述した医師の助けも依存症を治すために必要ですが、他に挙げられる方法は同じく「クレプトマニア」を患った人間同士がグループになって助け合う方法や対象物から離れる方法などです。

しかし根源的な原因であるストレスをなくす事が一番良い方法と言えます。

自己否定の考え

「クレプトマニア」になった人間の多くは自己否定の考えを抱えているそうです。人間という生き物は何事においても「自分が正しい」という根拠のない考えがなくては正気を保てません。

「自分が悪い」と反省するだけでも落ち込むのに常に自己否定していたら精神を正常に保つ事は難しいです。無論ストレスの原因となっている状況を改善するのは場合によって不可能かもしれません。しかし「出来ないから」という言い訳をして治療を放棄する選択をするのは愚かだと断言できます。

脳にコントロールを思い出させる事も大切ですが、当人のストレスについても理解する事も大切です。

しかし最も大事なポイントは周囲の人間を理解者にする事に尽きます。精神障害は自力では治る事ができない病気です。そのため他人の力がなくては助かる人間も助かりません。