盗撮における迷惑防止条例違反と軽犯罪法違反の違い
盗撮と法律
よくニュースなどで盗撮をして逮捕されたという話が出てきますが、この場合の罪状は迷惑防止条例違反、もしくは軽犯罪法違反、知的財産権侵害などです。
軽犯罪法違反
この中でも軽犯罪法違反に引っかかる場合というのは、公共の場所以外での盗撮です。迷惑防止条例違反は公共の場所での盗撮であり、例えば、階段でスカートの中を盗み撮りをする行為、バスの中で盗み撮りをする行為というのは、すべて迷惑防止条例違反ということになります。軽犯罪法違反は公共の場所以外ということになり、罪の重さとしては軽犯罪法違反の方が低くなっています。
軽犯罪法違反に該当するケース
軽犯罪法違反に該当するケースとして、例えば、駅のトイレで用を足しているところを撮影する、家のお風呂に入っているところを盗み撮りするなどの行為です。これは女性に限ったことではなく、対象となる人物が男性であったとしてもそれは同じことです。
この場合、ほとんどのケースは現行犯逮捕となっています。盗撮をしている姿を見られ、それで捕まってしまうというのがほとんどであり、後日逮捕されることはあるにしても、監視カメラに写っていたからそれを決め手に逮捕をしたということになります。
弁護士相談のメリット
こうした罪によって依頼をする場合、逆に軽犯罪法違反なのではないかという主張がしたくて弁護士に相談を持ちかける人が多くなります。例えば、家のお風呂に入っていて、そこを盗撮した場合、建造物等侵入罪が適用されることがあります。これが適用されると3年以下の懲役ということになり、場合によっては実刑判決を食らう可能性が出てきます。
建造物等侵入罪
一方、建造物等侵入罪が適用されなければ、拘留、科料で済むことになります。30日未満の拘留、もしくは1万円未満の罰金刑のみで終わるため、どの罪が適用されるかで全く違うため、弁護士が登場することになります。
実際に、建造物等侵入罪ではないことを証明するためには、建造物に侵入をしなくても見ることができたというのを証明する必要があります。そもそも建造物等侵入罪は正当な理由がなく、人が監督をする建造物に侵入することが要件となります。
つまり、たまたま正当な理由があって入り込んでしまい、ついつい盗撮をしてしまっただけというようにする必要が出てきます。また、お風呂の窓が道路に接している場合、建造物等侵入罪に問えない可能性があるため、この部分でなんとか公判を展開していくことになります。
盗み撮りの行為そのものを取り締まる法律が存在しないため、結果として公共の場所に特化した迷惑防止条例違反などのものが存在します。すべての都道府県などに迷惑防止条例違反は存在するため、実質的には法律の1つとなっています。ただ、迷惑防止条例違反の場合、1年以下の懲役に問うことができるため、同じ盗み撮りでも罪状によっては結構な差になっています。そのため、単にお風呂を盗み撮りした行為で立件をするのではなく、建造物等侵入罪のようなもので立件をすることが目立っています。